
柿を楽しみに食べてみたら、
「ん?なんかちょっと渋い……」
そんな経験はありませんか?
食べた柿が渋いと、「このまま置いておけば甘くなる?」「渋抜きってどうすればいいの?」と困ってしまいますよね。
まず知っておきたいのは、お店や通販で買った柿が少し渋かった場合と、まだ渋抜きしていない渋柿では、対処の仕方が少し違うということです。
まーくん家で販売した柿を食べて少し渋みを感じた場合は、常温で数日置いてから食べてもらうように案内しています。
一方、お家で収穫したばかりの渋柿など、まだ渋抜きしていない柿なら、家庭で渋抜きする方法もあります。
この記事では、柿が渋い理由から家庭でできる渋抜き方法、うまくいかなかったときの考え方まで、できるだけ分かりやすく紹介します。
失敗しないコツを押さえれば、健康にも嬉しい甘い柿を楽しむことができます。
当園の「まーくん家のたねなし柿」も合わせてご紹介します。
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目次
柿が渋くなる理由と対策

まずは、「どうして柿は渋くなるの?」というところから簡単に見ていきましょう。
柿には大きく分けて甘柿と渋柿があります。
渋柿はそのまま食べると強い渋みがありますが、渋抜きをすると甘く食べられるようになります。
ここで少しややこしいのが、渋柿の品種でも、渋抜きをした状態で普通にお店に並んでいることです。
渋柿と甘柿の違い
柿の渋みには「タンニン」という成分が関係しています。
渋柿には、口の中で渋みを感じやすい状態のタンニンが含まれています。
渋抜きをすると、このタンニンが水に溶けにくい状態へ変わります。
難しく聞こえますが、簡単にいうと、渋みの成分そのものを全部なくすのではなく、口の中で渋く感じにくい状態にするということです。
ちなみに、渋抜きした渋柿が「甘柿」という別の品種に変わるわけではありません。
たとえば、まーくん家で栽培している
- 中谷早生柿
- 刀根早生柿
- 平核無柿
はいずれも渋柿です。
渋抜きをすれば甘くおいしく食べられますが、品種としては渋柿のままです。
「渋柿を甘くする方法」と「渋柿が甘柿に変わること」は別、と覚えておくと分かりやすいと思います。
買った柿を食べたら少し渋かった場合は?

ここは、今回ぜひ知っておいてもらいたいところです。
スーパーや通販などで「そのまま食べる柿」として購入したものを食べて、少し渋みを感じることがあります。
この場合、収穫したばかりの渋柿と同じように、すぐ家庭で渋抜きをしなければいけないとは限りません。
和歌山県産のたねなし柿は渋抜きして出荷されるものがあります
和歌山県産のたねなし柿として出荷される中谷早生・刀根早生・平核無は、もともとは渋柿です。
生で食べるためのものは、収穫したあと、炭酸ガスなどを使って渋抜きしてから出荷されています。
つまり、「渋柿の品種だから、お店で買ったあと自分で渋抜きしないと食べられない」
というわけではありません。
基本的に和歌山県産のたねなし柿についてはこの方法です。
※恐らく、全国の渋柿は同じ方法で処理されていると思いますが、調べていないので分からないです。
まーくん家で購入していただいた柿が少し渋かったときは、数日置いてみてください

うちで販売している柿については、お客さんから「少し渋みを感じる」という相談があった場合、常温で数日置いてから食べてもらうように案内しています。
柿は自然のものなので、一つひとつ状態が違います。
同じ時期に収穫した柿でも、すべてがまったく同じタイミングで同じ状態になるわけではありません。
少し渋みを感じたときは、数日様子を見てからもう一度食べてみてください。
※まだ渋抜きしていない渋柿が、常温に置くだけで必ず食べられるようになるという意味ではありません。
柿を買ったあとの置き方について詳しく知りたい方は、下の「柿の保存方法」の記事も参考にしてください。
柿の保存方法はこうすれば安心!【まとめ完全版】
実際にうちの柿はどうやって出荷している?
うちで栽培している中谷早生柿・刀根早生柿・平核無柿は渋柿なので、生で食べてもらうものは渋抜きが必要です。
JAへ出荷する柿は、JAへ出したあとに一斉に渋抜きされます。
その後、荷造りされて市場へ流れていきます。
まーくん家での販売用の柿については、農協で脱渋作業(渋抜き作業)をしてもらい引き取って販売しています。
引き取ってからは、おおむね2~3日後を一つの目安に荷造り・発送しています。
ただ、これは毎回「必ず2~3日」ということではありません。
時期や気温、そのときの柿の状態を見ながら発送するタイミングを調整しています。
発送前には、実際に食べて状態も確認しています。
渋抜き後の柿は、うちでは基本的に倉庫の中で常温保存しています。
柿は一つひとつ少しずつ違うので、日数だけではなく、実際の状態を見ることを大切にしています。
柿の渋抜きの基本知識

ここからは、収穫した渋柿をもらった場合など、まだ渋抜きしていない渋柿について見ていきます。
渋抜きは、正式には「脱渋(だつじゅう)」とも呼ばれます。
名前だけ見ると難しそうですが、家庭で昔から行われている方法もあります。
代表的なのは、
- 焼酎などのアルコールを使う
- 干し柿にする
といった方法です。
「冷凍すると渋が抜ける」という情報もありますが、この方法については少し注意が必要です。
順番に見ていきましょう。
家庭でできる柿の渋抜き方法
ここから紹介する方法は、うちが出荷する柿に行っている渋抜き方法ではありません。
家庭で渋柿を食べる方法として、紹介されている内容を中心にまとめています。
アルコールを使って渋抜きする方法
家庭で行われる方法の一つが、焼酎などのアルコールを使った渋抜きです。
和歌山県では、平核無柿について次のような方法を紹介しています。
- もぎたての新鮮な柿を用意する
- 柿のヘタを焼酎またはウイスキーにつける
- ビニール袋に入れる
- 暖かいところで保存する
使うものは、35度の焼酎またはウイスキーです。
和歌山県が紹介している平核無柿の場合、4~5日ほどが一つの目安とされています。
ただし、品種や柿の状態、置いている環境によっても変わります。
「5日たったから絶対大丈夫」と決めず、様子を見ながら確認してください。
なお、これは家庭向けに紹介されている方法です。
うちでは、直販用の柿をこの方法で渋抜きしているわけではありません。
焼酎以外で渋抜きしたい場合は?
「家に焼酎がない」「焼酎以外の方法はないの?」という方もいると思います。
和歌山県が紹介している方法では、焼酎のほかにウイスキーも使えます。
また、アルコールを使わず、干し柿にする方法もあります。
干し柿にして渋を抜く

渋柿の食べ方として昔からよく知られているのが干し柿です。
皮をむいた柿を干して水分を減らしていくことで、渋みを感じなくなり、甘みのある干し柿になります。
和歌山県では、ヘタと軸を残して皮をむき、ひもを通して、雨のかからない風通しのよい場所へ干す方法を紹介しています。
目安としては3週間ほどです。
ただし、気温や湿度などによって乾き方は変わります。
干し柿は天候やカビなどにも注意が必要なので、実際に作る場合は詳しい作り方を確認してから行ってください。
そのため、この部分はうちで実際に作った経験談ではなく、公的な資料をもとにした紹介です。
冷凍すれば渋柿の渋は抜ける?
最近よく見にする、「冷凍して渋抜きをする方法」。
冷凍した渋柿についての情報はさまざまありますが、和歌山県が家庭向けに紹介している渋抜き方法には、焼酎・ウイスキーを使う方法などが掲載されています。
そのため、渋抜きだけを目的にするなら、冷凍を確実な方法として頼りすぎないことをおすすめします。
冷凍は、柿を保存したり、やわらかい食感で楽しんだりする方法として使うことはできます。
柿の渋抜きがうまくいかないときは?
せっかく渋抜きをしたのに、
「まだちょっと渋い……」
ということもあります。
柿は品種や一つひとつの状態が違います。
渋抜きの方法だけでなく、温度や保存状態などによっても仕上がりが変わることがあります。
アルコールで渋みが残った場合
アルコールを使う場合は、袋の密閉状態なども大切です。
また、同じ方法でも品種によって渋の抜け方が違うことがあります。
農研機構の研究でも、渋柿は品種によって渋抜きの進み方に違いがあることが確認されています。
よく紹介されている方法を使う場合も、「○日で必ず完成」と考えず、自分で柿の状態を見ながら確認するのがよいでしょう。
干し柿は天候や湿気にも注意
干し柿は、ただ干しておけば必ずうまくいくものではありません。
雨や湿気が多いと乾きにくくなりますし、カビにも注意が必要です。
風通しのよい場所を選び、作る地域や時期に合った方法を確認しながら進めましょう。
渋柿と甘柿は見分けられる?

「もらった柿があるけど、これって渋柿?」
そんな疑問を持つ方もいると思います。
品種が分かっていれば、甘柿か渋柿か判断しやすくなります。
たとえば、うちで作っている中谷早生・刀根早生・平核無は渋柿です。
一方で、見た目だけを見て甘柿か渋柿かを判断するのが難しい場合もあります。
品種が分からない柿をもらった場合は、できればくれた方に品種や食べ方を聞いてみてください。
お店で買う場合は、品種名や商品の説明を確認するのが一番分かりやすいと思います。
よくある質問

Q:買った柿が少し渋い場合はどうしたらいいですか?
まーくん家で販売している柿の場合は、常温で数日置いてから食べてもらうよう案内しています。
柿には個体差があるので、同じタイミングですべて同じ状態になるわけではありません。
ほかのお店で購入した柿の場合は、販売元の案内も確認してみてください。
Q:渋柿は置いておくだけで甘くなりますか?
まだ渋抜きしていない渋柿については、「常温に置くだけで必ず渋が抜ける」とは言えません。
買ったあとの柿を少し置いて様子を見ることと、まだ渋抜きしていない渋柿を渋抜きすることは分けて考えてください。
Q:渋柿を甘柿にできますか?
渋抜きをすれば、渋柿を甘く食べられるようになります。
ただし、品種そのものが甘柿へ変わるわけではありません。
刀根早生や平核無も、渋抜き後に甘く食べられますが、品種としては渋柿です。
Q:柿の渋抜きは焼酎以外でもできますか?
焼酎以外にも方法はあります。
和歌山県ではウイスキーを使った方法も紹介しています。
また、干し柿にする方法もあります。
Q:渋柿を冷凍すると渋は抜けますか?
冷凍すれば確実に渋が抜けるとは言い切れません。
冷凍による方法を紹介している情報もありますが、渋抜きだけを目的にするなら、アルコールを使う方法など、公的に紹介されている方法も確認してみてください。
Q:渋抜きには何日くらいかかりますか?
方法や品種、柿の状態によって変わります。
和歌山県が平核無柿について紹介している方法では、35度の焼酎またはウイスキーを使った渋抜きは4~5日ほどが一つの目安です。
干し柿については3週間ほどが目安として紹介されています。
旬の柿を楽しんでいただけたらうれしいです
うちでは、中谷早生柿・刀根早生柿・平核無柿などを栽培しています。
直販する柿については、JAで渋抜きしてもらったものを引き取り、時期や気温、柿の状態を見ながら荷造り・発送しています。
発送前には実際に食べて状態も確認しています。
無理におすすめするものではありませんが、柿の季節になったらオンラインショップでも案内していますので、「和歌山の柿を食べてみたいな」という方は、よかったらのぞいてみてください。
まとめ

今回は、柿が渋いときの理由や渋抜き方法について紹介しました。
柿を食べて渋かったときは、まず、
「買った柿が少し渋い」のか、「まだ渋抜きしていない渋柿なのか」
を確認してみてください。
うちで販売している柿を食べて少し渋みを感じた場合は、常温で数日置いてから食べてもらうよう案内しています。
一方、まだ渋抜きしていない渋柿の場合は、焼酎やウイスキーを使った方法、干し柿にする方法などがあります。
冷凍については、「冷凍すれば必ず渋が抜ける」とは考えないほうがよいでしょう。
柿は品種や状態によっても違いがあります。
その柿に合った方法を選びながら、おいしく楽しんでもらえればと思います。
参考資料
・和歌山県「わかやま食材テロワール『柿』」
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071700/kokunai/brandshien/R2/d00205477.html
・和歌山県「柿の加工」
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130300/20/21/kakou/index.html
・農林水産省「にっぽん伝統食図鑑・干し柿」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/hosigaki.html
・農研機構「渋ガキ『太天』および『太月』の脱渋特性」
https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2011/142b0_10_06.html


